さらば私のハッピークリスマス20071122(Thu)

それはきっと、届かないことを知っているからかもしれない。
クリスマスの色に綺麗に飾られたモミの木を見上げながら、自分がはじき出した答えに失笑した。
初めから分っていたはずだった。これが届かない思いだって、こと、くらい、分って、いた、はずたった。
せめて、このイルミネーションだけは、貴方と見たかった。と思ったら、涙が出てきた。
泣くな。泣くな。泣いちゃいけない。駄目、泣くな、私。

「っ、ふ……っ、…。」

でも、だって、この想いは止められない。
クリスマスツリーの前で立ち止まって泣いている私は、他人の目からはどう、映るんだろうか。
クリスマス前に恋人と別れた、そんな哀れな女に見えているんだろうか。でも今はそんなこと、どうでもよかった。

「…っ……きん、ちゃ…っ。」

好きだった、好きだった、好きだった。 きっと今も大好き。
ハンカチなんて出してわざわざふく気にもなれなくて、ただ、ただ、溢れる涙を手で、腕でぬぐった。
分ってた、分ってた、所詮彼から見れば、私は客の一人でしかないことなんて、分ってた。
ホストがいうことなんて信じちゃいけなかった。ホストだって割り切ればよかった。

でも、金ちゃんは笑いかけてくれたよね、優しい笑顔で。
ふわふわ金髪をゆらして、まるで子猫でもあやすような優しい色をした紅い瞳で、私に笑いながら、キス、してくれたじゃない。
ねぇ、金ちゃん。ホストはなんとも思っていない女の子を抱く代わりに、好きな女の子にしかキスしてくれないんじゃなかったの。
だって、金ちゃん、そう言ってたよ。私に向かってそう言ってくれたじゃない。



私の唇は、そんなおばちゃんと同じくらいの価値だったの?